8月30日 土曜日 ときどき小雨
関東、東海地方で大雨警報が出され、東北地方も大雨の気配が濃厚。スタッフ全員が雨雲の動きにピリピリしていたところ、午前中に東北地方「大雨警報解除」の知らせが。
ぱらついていた雨もやみ、曇り空ですが、なんとか散策できるようになりました。
これで今年も無事に水源探索が出来るとホッと一安心。
水源探索は、今年「平成の名水百選」に選ばれた「元滝(正確には元滝伏流水と呼ぶ)」と「中島台の出壺」を巡り、名瀑100撰の法体の滝、天寿酒造の無農薬米田んぼ、酒蔵見学のコースとなります。
天寿酒造の「水」の環境の良さやお酒のおいしさの秘訣をこの旅でご理解いただけるよう、案内に努めていきたいと心に誓いました。
さて、天寿酒造の仕込水の源である鳥海山系の『水』を巡る旅の始まりです。
参加人数は20名。半数が関東からのお客様です。天寿ファンの方や山歩きが好きな人など多士済々。昨年の水源探索に引き続き、今年も参加されたリピーターの方もいらっしゃって、貸し切りバスの中の雰囲気は今回のツアーへの期待で満ちあふれているようでした。
バスの中では佐藤杜氏が熱心かつユーモアを交え(多少オヤジギャグ有り)、本日の行程やこれから行く場所の説明をしました。プロのガイド顔負けの博識ぶりで、よく勉強しているなあとお客様の声。佐藤杜氏の机の前に置かれた大量の資料が、ガイドの質の高さを支えています。
無事、予定の時間より早く元滝に到着しました。
雨上がりの少しむっとしたような気温でしたが、滝に下りてみると、ひんやりとした冷たい霧が体の回りを包みます。これにはツアー一同大喜び。コケと岩と樹木が太古の風景を彷彿させ、滝からあふれ出す豊富なマイナスイオンと伏流水は平成の名水百選にふさわしいものでした。
次に目指す場所は中島台・獅子ガ鼻湿原。チョウカイマリモなど珍しい植物や奇形ブナがあり、こんこんと湧き出す湧水スポットは「出壺」と呼ばれ、散策にきた旅人の喉をうるおしてくれます。この出壺もまた「平成の名水百選」に選ばれており、そこから湧き出る鳥海山の水が、発電を含め里の田畑や人々を潤すのです。その出壺を目指し、2時間少々の散策となりました。道はあまり起伏はありませんが、木道がぬれている個所もあり、足元に気をつけて歩きました。森の中は木立があるせいで雨が降ってきません。レインコートは必要なかったようです。ふうふういいながら50分後、出壺に到着しました。無限に湧き出る水は透明度が高く、一年通じて同じ温度に保たれています。水の感想はみなまちまちで、個人的には固い感じがしました。天寿の仕込み水は柔らかい軟水なので、たどり着くまでに濾過されてくるのかなと思いました。
出壺の次はチョウカイマリモなどを観察。マリモのイメージは球体ですが、チョウカイマリモは絨毯のようです。コケの複合体が何層にも重なり、独特の形になったようです。ここでしか見られない珍しいコケもあり(私は判別できませんでしたが・・・)、みな感心深く観察していました。
その後、「あがりこ大王」に立ち寄り、中島台の奇形ブナを観察。中島台は奇形ブナが多く、曲がりくねった変な形のブナが生えています。この奇形ブナが出来た理由の一つに「炭焼き」があります。冬になると雪の上から出た木を切り、そこからまた芽を出し、ブナが成長する。大きくなったところをまた切るといった具合に、人の生活と自然との共存が、奇形ブナを作り出したのではないかといわれています。
休憩も挟み、3時間弱の行程となりましたが、皆さん満足していただけたようで、緑の中を歩く心地よさを楽しそうに話してくれました。
心地よい汗をかいた後は温泉につかり、疲れを癒し、お待ちかね、「天寿を楽しむ会」です。
この日のために仕込タンクの番号が入った小瓶が各テーブルにズラリ。
どんな味のするお酒が入っているのか全く予想がつきません。こっそりにおいをかいでみると、やわらかい吟醸香がします。レベルの高さだけがわかります。今日ご参加いただいた皆様だけが飲める日本酒。正直、いいなあ、うらやましいなあと(担当の仕事上飲めなかったので)思いました。
弊社社長の大井建史より、天寿自慢のお酒を心ゆくまで楽しんでいってほしいとにこやかに挨拶。「天寿を楽しむ会」より参加の、弊社会長大井永吉より乾杯の発声のあとは、
ホテルフォレスタ鳥海自慢の和洋折衷コースで歓談となりました。
みなさんほんとにお酒が好きで、上手に和らぎ水を飲みながら、天寿のお酒をうまいうまいと飲み比べていました。
今回は日本酒好きな女性の参加者が多くて、気持ちのいいくらいの飲みっぷりでした。肌ツヤのよいかたがとても多くて、温泉の美肌効果もさることながら、日本酒効果もあるのではと思いました。
8月31日 日曜日 ときどき小雨
2日目の朝も曇り空。でも朝一番には鳥海山がよく見えて、水源探索ツアー一行は今日も張り切っています。昨日の天寿を楽しむ会の余韻が朝まで続いているようです。9時にホテルフォレスタ鳥海を出発。法体の滝には観光道路を使い20分後に到着。雨がぱらついてきたので、傘を差しながらの見学となりました。法体の滝は「日本の滝百選」に選ばれた名瀑で新緑、紅葉のシーズンは観光客で賑わいます。法体の滝ではちょうど映画の撮影が行われており、「釣りキチ三平」の看板が立っています。皆さん興味しんしんで滝の前の撮影現場を覗いていました。エキストラで出演しようかと銀幕デビューを狙っている方もいました(笑) 法体の滝は一の滝、二の滝、三の滝からなっており、二の滝へご案内しようと崖のような急斜面を登り、落差57.4メートルの滝の頂上付近を目指しました。
末広がりの荘厳な滝の流れを後にしながら、法体の滝見学は終わり、天寿酒造の無農薬田んぼに向かいます。
「自分たちの手で満足できる米を作り、お酒を醸したいから米作りにこだわっているのです。」と、杜氏が熱い思いを皆さんに語っていました。
アイガモ農法を実践し、肥料として米ぬかをまき、全社員一丸となっての水草取り、ヒエ取りをします。時間と労力をかけて米作りをしています。米作りに思いを込める蔵の意気込みを感じてもらえたのではないかと思います。
無農薬米田んぼの後は酒蔵見学です。洗瓶、酒詰、麹室、
酒母室、もろみ蔵、洗米、蒸し機、精米、船場、のひとつひとつ丁寧にわかりやすく、各行程の持つ意味について解説していきます。みな熱心に杜氏の説明に聞き入っていました。
天寿酒造ではひとつひとつの行程の精度を上げるべく、常に改良を加え毎年進化しているのだと理解してもらえたようでした。鳥海山に降った雨や雪などの「水」は地下や川に流れ、また里に現われ豊かな恩恵を与えてくれます。仕込み水がどんな環境で存在しているのか、またどんな思いでこの「水」を利用しているか、天寿酒造のお酒をより深く理解いただけたなら、望外の喜びです。
このツアーに参加した皆様、スタッフ、関係者の皆様に感謝しながら筆をおきます。
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